公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ヒキオコシ

(シソ科)

 

撮影日 2021-10-02

植物のある場所 民間薬原料植物区(草星舎脇)

山地や丘陵地の草地、林縁、伐採跡地などの乾き気味の場所に生育する多年草です。
本種には強い苦味があり、地上部を乾燥したものは、生薬「エンメイソウ」として日本薬局方外生薬規格(局外生規)に収載されています。またエンメイソウの名は植物名の別名としても使われます。
高さは1m、ときにそれ以上になり、上部で枝分かれして大きな円錐状の花序を形成します。ただし花序は一斉には咲かず、5mmあるかないかの花が疎らに咲き、わずかな風にも揺れるため、カメラマン泣かせの花とも言えます。
和名は「引き起こし」の意味で、平安時代、行き倒れた重病の旅人に弘法大師(空海)がこの草を飲ませたら起き上がった、との伝説に基づくとされます。
【別名】エンメイソウ
【生薬名】エンメイソウ(延命草)
【薬用部分】地上部
【用途】民間療法で胃けいれんに乾燥品を煎じて服用。
    また、家庭薬に苦味健胃剤として配合される。  
【成分】苦味質(エンメイン、オリドニン、プレクトランチン)ほか
【分布】北海道南西部~九州、朝鮮半島

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