公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ハマビシ

(ハマビシ科)

絶滅危惧IB類(EN)

 

撮影日 2021-09-11

植物のある場所 漢方薬原料植物区

暖かい地域の、海岸の砂浜に生育する一年草もしくは越年草です。茎は低く匍匐し、葉は偶数羽状複葉で、小葉数の多い葉(7-8対程度)と、少ない葉(5対程度)が対生します。
花が開いている時間は概ね午前中までです。薬用部分である果実には鋭いトゲを生じますので、観察時はご注意ください。
世界的に見ればハマビシは暖かい地域の海岸、熱帯では内陸の乾燥地まで広く分布する植物です。しかし国内での分布が暖地の砂浜に限られること、またそのような場所は海水浴場などに使われるため、トゲのある本種は危険であるとして除去されることなどから、日本国内での自生個体数が少なくなっており、絶滅危惧IB類とされています。
ハマビシ科は地中海沿岸を中心に世界の暖帯~熱帯の乾燥地に約300種が知られ、日本にはハマビシ1種のみが分布します。
果実は生薬名をシツリシと称し、駆瘀血、かゆみの改善などの目的で漢方薬方に用いられます。本生薬の配合をうたうサプリメントが販売されていますが、シツリシは医薬品成分とされており、いわゆる健康食品や食用に供することは禁止されていますので要注意です。
【生薬名】シツリシ(蒺䔧子)
【薬用部分】果実
【用途】漢方処方用薬:鎮痒(当帰飲子)
【成分】フェネチルアミン誘導体(テレストリアミド)、フラボノイド(ケンフェロール)他
【分布】本州(千葉県・福井県以西)、四国、九州、南アジア

新常用和漢薬集「シツリシ」

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