公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

クチナシ

(アカネ科)

 

撮影日 2022-06-14

植物のある場所 漢方薬原料植物区

梅雨時に花をつける庭木の中でも、爽やかな香りをもつのがクチナシです。
白色の花冠と強い香りは、見通しのきかない林内でも、花の存在を送粉者へアピールするのに役立つと考えられます。
園芸ではヤエクチナシ(ガーデニア)が、豪華な花で人気がありますが、こちらは雄しべ・雌しべが花弁に変化しており、結実能力を失っています。クチナシの薬用部位は果実ですので、薬用に栽培するクチナシは一重咲きでなければなりません。
一重咲きのクチナシの花は、6枚に分かれた花冠と、花冠裂片と互い違いに配置する6本の雄しべ、そして中央に立つ雌しべが明瞭に判る姿をしています。
果実は冬に橙赤色に熟し、薬用(サンシシ)のほか、天然食用色素としての利用もあります。
【生薬名】サンシシ(山梔子)
【薬用部分】果実。ときに湯通しまたは蒸したものを用いる
【用途】漢方処方用薬:消炎・排膿・清熱・鎮静(茵蔯蒿湯、黄連解毒湯ほか)
【成分】イリドイド配糖体(ゲニポシド)、カロテノイド色素(クロシン)など
【分布】本州(静岡県以西)・四国・九州・沖縄、台湾、中国大陸中南部ほか

新常用和漢薬集「サンシシ」

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