公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

オオアマチャ

(ユキノシタ科 新体系ではアジサイ科)

 

撮影日 2022-05-29

植物のある場所 有用樹木区、ふれあいガーデン

わが国原産の落葉低木です。アマチャに比べてやや大型で、葉の幅もやや広めです。ガクアジサイに似ていますが、葉はそれよりも薄手で光沢がありません。
日本薬局方ではアマチャをガクアジサイの変種に位置づけていますが、アジサイ属の分類は異なる見解も多く、アマチャ、オオアマチャともヤマアジサイの変種とする見解も広く受け入れられています。飲料「甘茶」の原材料としては、本種オオアマチャのほか、ヤマアジサイのうち甘味成分フィロズルチンの含有量の多い系統も用いられます。
フィロズルチンは生葉の状態では配糖体の状態で存在しており甘みがなく、発酵させて揉む工程を経て、甘みが生じます。医薬を飲みやすくするための矯味料や、砂糖の摂取を制限される糖尿病患者向けの甘味料として利用されます。また4月8日の「花まつり(灌仏会)」で飲まれることでも知られます。
なお、甘茶は茶葉が多すぎたり、濃く煮出しすぎたりすると、飲んだときに吐き気・悪心を生じる場合のあることが知られています。甘茶は濃くなりすぎないよう、薄め(水1リットルに対し乾燥アマチャ葉2~3gほど)で作るとよいです。
【生薬名】アマチャ(甘茶)
【薬用部分】葉および茎先(通例、揉捻したもの)
【成分】イソクマリン類(d-フィロズルチンほか)
【用途】甘味料または矯味料として、口腔清涼剤の製造原料とする

新常用和漢薬集「アマチャ」

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