新常用和漢薬集
名称 |
サンシシ
(山梔子)
第十七改正日本薬局方 収載
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別名 | 梔子 | ||
英名 | Gardenia Fruit | 生薬ラテン名 | GARDENIAE FRUCTUS |
![]() 生薬名:サンシシ |
![]() 植物名:クチナシ |
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基原 | クチナシGardenia jasminoides Ellis (Rubiaceae アカネ科)の果実で、ときに湯通し又は蒸したものである。定量するとき、換算した生薬の乾燥物に対し、ゲニポシド3.0%以上を含む。 | ||
調製 | 完熟果実を摘み取り、果柄及びがくを除去して、湯通し或いは蒸した後、乾燥する。 | ||
産地 | 中国(湖南・湖北・浙江・四川・江西省など)。 | ||
性状 |
ほぼ長卵形~卵形を呈し、長さ1~5 cm 、幅1~1.5 cmである。 外面は黄褐色~黄赤色で、通例6本、まれに5本又は7本の明らかな稜線がある。 一端にはがく又はその跡があり、他端には果柄を付けているものもある。 果皮の内面は黄褐色を呈し、平らでつやがある。 内部は2室で、黄赤色~暗褐色の胎座に種子の団塊が付く。 種子はほぼ円形で扁平、長径約0.5 cmで、黒褐色又は黄褐色である。 弱いにおいがあり、味は苦い。 |
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成分 | geniposide, geniposidic acid, 10-acetylgeniposide, genipin 1-β-gentiobiosideなどのイリドイド配糖体、カロチノイド色素(crocin), p-hydroxycinnamic acid 誘導体など。 | ||
選品 | 換算した生薬の乾燥物に対して、ゲニポシド (C17H24O10 : 388.37) 3.0%以上を含み、小型で丸く、内部の赤黄色のものが良い。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:消炎・清熱・精神安定作用があり、充血、吐血、煩燥、黄疸、炎症、高血圧などを改善する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
茵蔯蒿湯(いんちんこうとう) 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、温清飲(うんせいいん) 加味逍遥散(かみしょうようさん) 梔子鼓湯(しししとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
第17改正日本薬局方 第一追補で基原表記に修正があった。「ときに湯通し又は蒸したものである。定量するとき、換算した生薬の乾燥物に対し、ゲニポシド3.0%以上を含む。」の記載が付加された。 基原植物のクチナシGardenia jasminoides は本来コリンクチナシの学名で、果径5 cm以上のものをクチナシG. jasminoides forma grandifloraとするが、中間種があって区分がはっきりできない。 また、中国ではG. jasminoides var. grandiflora を水梔子(すいしし)の基原植物としており、母種の G. jasminoides をクチナシとし記載された。 近年では、水梔子はG. jasminoides forma longicarpa と命名されている。 飲食物の天然黄色着色料の原料として需要が多い。 |
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情報更新日 2018/04/27 |