公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ツルドクダミ

(タデ科)

 

撮影日 2025-10-07 見頃!

植物のある場所 漢方薬原料植物区

タデ科に属する、つる性多年草です。心形の葉が、ドクダミにやや似ていることによる命名ですが、ドクダミとは科のレベルで異なり、写真の通り、花の様子もまったく異なります。ですので、本種には「ドクダミの匂い」はありません。
江戸時代、長崎で薬用として導入され、その後各藩の大名屋敷などで栽培されました。当時は強精効果が信じられ、大名家の跡継ぎ確保の切り札として期待されて広まったようですが、実際のところ、そこまでの劇的な効果は無かったようです。そのような歴史的経緯により、現在でも各地の都市部、とりわけ、城や屋敷のあった古くからの市街部を中心に、野生化したツルドクダミがしばしば観察できます。
生薬名の何首烏(カシュウ)は、という人物ののように黒くなった(=白髪が治った)という中国の故事伝承に基づく名称で、白髪や抜け毛の改善効果が古くより知られ、現在市販される外用育毛剤にも、これを配合する商品があります。
なお、カシュウの服用により肝機能の異常・黄疸などを生じる疑いが、国立医薬品食品衛生研究所より2006年に示されており、服用(内服)の際は、医師・薬剤師などへの相談が推奨されます。
【生薬名】カシュウ(何首烏)
【薬用部分】根茎
【用途】漢方処方用薬:貧血、不眠(当帰飲子)
【成分】アントラキノン類、スチルベン配糖体等
【原産地】中国、台湾原産、日本各地に帰化

新常用和漢薬集「カシュウ」

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