公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

サジオモダカ

(オモダカ科)

 

撮影日 2021-06-28

植物のある場所 漢方薬原料植物区(水鉢)

湖沼の浅い場所、水田などに生育する水生の多年草です。茎は地中にあって短く、肥大するイモ状の塊茎(かいけい)となり、葉は葉柄が明瞭なスプーン状、花は同じ科のオモダカやクワイよりもはるかに小型で、細かく分枝した円錐花序に、まばらに開花します。
沢瀉の漢字表記でおもだかと読みますが、生薬分野では沢瀉はサジオモダカの塊茎を指し、音読みでタクシャと読みます。
午後から開花する一日花であり、花の観察は遅い時間の来園がおすすめです。

【生薬名】タクシャ(沢瀉)
【薬用部分】塊茎
【用途】漢方処方用薬:むくみや口渇の改善・利尿作用(五苓散、八味地黄丸ほか)
【成分】四環性トリテルペノイド(アリソールA, B)セスキテルペノイド(アリスモール)など
【分布】北海道から本州、東アジア

なお、日本薬局方では独立種 Alisma orientale として規定していますが、世界の温帯の沼沢地に広く分布する類似種を広義のサジオモダカ A. plantago-asiatica と捉え、日本・東アジア産をその一変種 var. orientale とする見解もあります。

新常用和漢薬集「タクシャ」

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