公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

シナノキ

(シナノキ科 新体系ではアオイ科)

 

撮影日 2026-06-05 見頃!

植物のある場所 有用樹木区(染料香料植物区の隣)

シナノキ:葉の裏側

山地に生える高さ10m、ときにそれ以上に達する落葉高木です。葉は鋸歯のあるハート型、初夏に芳香のある黄白色の花を群れ咲かせます。
花序柄の途中に生じる、楕円形で全縁の苞葉が目立ちます。この苞葉は、晩秋、果実を風散布させるときの「翼」となります。
樹皮には丈夫な繊維があり、ロープ、綱、布などとして重用されました。
近縁種として、中国原産で仏教とともに伝来し、寺院によく植栽されるボダイジュ、欧州でリンデン(リンデンバウム)と称されるセイヨウシナノキも、日本国内で見ることがあります。
いずれも類似した外観ですが、本種シナノキの葉裏は、葉脈の分岐点の股の部分にのみ淡褐色の毛の塊を生じ、その他は無毛であり、この特徴でボダイジュとは区別が可能です。
また花弁が細長く、雄しべも長いこと、1つの花序につく花数が多い点などが、セイヨウシナノキ等との区別点となります。
シナノキ科は、日本薬局方が採用する新エングラー体系で認められていた分類群で、およそ450種ほどが属していました。木本としてシナノキやボダイジュ、草本ではカラスノゴマや、野菜や繊維作物として用いられるモロヘイヤ(タイワンツナソ)などがあります。ただし、現在主流となっているAPG体系では、シナノキ科はすべてアオイ科へ統合されています。
【分布】北海道、本州、九州

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