公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

タマスダレ

(ヒガンバナ科)

有毒植物

 

撮影日 2025-09-09 見頃!

植物のある場所 有毒植物区

タマスダレは、性質が丈夫で、身近な草花となっていますが、故郷は、遥か南米アルゼンチン・ウルグアイのラプラタ川流域です。おそらく明治初期に日本へ伝来し、観賞用として広く植えられています。路傍や空き地に逸出野生化しているものもみられます。
タマスダレが属する Zephyranthes 属の植物はメキシコから中南米にかけて分布し、本種のほか、ピンク色のサフランモドキも日本に移入されて観賞用に植えられます。園芸品種もつくられており、画像左側にみえるクリームイエローの花は「ゼフィランサス・エイジャックス」という品種です。
この仲間は、雨のあとに花芽が急速に成長して咲く性質から、レインリリーとも総称されます。このため開花期間中も咲き方に波があり、満開のタイミングが何回か訪れます。
他の多くのヒガンバナ科(APG体系におけるネギ亜科を除く)と同様に有毒で、誤って食べれば、嘔吐やけいれんなどの危険性があります。
本種は常緑性で、細長い葉が一年中あり、春のノビル採り中に混入したと思われるタマスダレを、天ぷらで喫食して食中毒事故となった事案が発生しています。毒成分のリコリン等は熱に安定であるため、加熱調理しても毒性はほとんど変わりません。
なおノビルの葉は中空で、指でつまめばつぶれ、かつネギのような匂いがありますが、タマスダレの葉は中が詰まっており、つまんでもつぶれず、ネギの匂いもありません。ノビルのほか、ニラ等との誤認識にも注意する必要があります。
【原産地】南米
【有毒部位】全草。鱗茎は毒性が強い
【有毒成分】アルカロイド(リコリンなど)

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