公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ゴボウ

(キク科)

 

撮影日 2024-06-22

植物のある場所 漢方薬原料植物区

根菜類として馴染み深いゴボウの花です。ただし畑では開花前に収穫するため、自家採種用に残している場合などを除き、花を見る機会は限られます。アザミに似た、筒状花のみから構成される頭状花序をつけます。
花のあと、米粒ほどの大きさの痩果(そうか=種子のように見える果実)を産し、これを生薬として利用します。
頭状花序を包む総苞片(そうほうへん=ガクのように見える部分)は先端がフック状になっており、衣服などに引っかかります。野生の環境では、熟した果実を包む総苞片が、動物の毛皮などに引っ掛かって運ばれ、種子散布されます。このゴボウ属の総苞片をヒントに、面ファスナー(商品名でマジックテープやベルクロと呼ばれるもの)が発明されたとされます。
【生薬名】ゴボウシ(牛蒡子)
【薬用部分】果実
【用途】解熱・解毒・去痰・鎮咳作用があり、柴胡清肝湯などの漢方処方に配剤
【成分】リグナン誘導体など
【原産地】ユーラシア大陸北部

新常用和漢薬集「ゴボウシ」

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