公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ラシャカキグサ

(マツムシソウ科 新体系ではスイカズラ科)

 

撮影日 2024-06-25

植物のある場所 民間薬原料植物区

大型の二年草で、1年目は根生葉のみのロゼット状で成長し、2年目の夏に高さ1-2mの茎を立てて開花します。
花は頭状花序を形成します。花序のどの部位から咲き始めるかは一定しておらず、基部や頂部、中間部から咲き出すものなどさまざまで、ユーモラスな姿をしています。
花序(および花のあとの果序)には、苞葉が変化した棘が密生しています。これをラシャ(羅紗:帽子、上着、ビリヤード台などに用いる厚い毛織物)の表面を起毛する目的で使用するため「羅紗掻き草」の和名で呼ばれます。わが国では織物工業の盛んな大阪の泉州地域で多く栽培されていました。
本種は、ヨーロッパから西アジア原産の越年草ないし二年草であるオニナベナから改良された植物で、オニナベナでは比較的まっすぐな棘が、本種では鉤状に曲がって、より「羅紗掻き」に適した形状になっています。
花序・果序だけでなく葉脈や茎にもトゲがありますので、観察の際はご注意ください。
【別名】チーゼル(teasel)

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