公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ネムノキ

(マメ科)

 

撮影日 2024-06-24

植物のある場所 染料香料植物区付近

紅くふわふわとしたネムノキの花が、見頃となりました。
原野や川岸、林縁などに生育する落葉高木です。広い場所に生えたものは、傘状の横広がりの樹形を呈します。
葉は2回偶数羽状複葉で、ひとつの葉は数百枚の細かな小葉から構成されます。夜になると小葉が向かい合わせに畳まれ、1本の棒のようになる就眠運動を見せます。また冬季の眠りも長く、他の樹々がすっかり葉を茂らせたころ、ようやく芽がほころんで伸び出します。
なお、オジギソウとは異なり、触れても葉は動きません。
樹皮を乾燥したものをゴウカンヒ(合歓皮)と称し、不眠の改善に用いる場合がありますが、これは、葉が就眠運動することの連想と関係あるかもしれません。また、民間療法で鎮痛、強壮を期待して利用することがあります。
果実が「豆さや状」になることはマメ科の特徴を示していますが、花は蝶形花にはならず、花弁が小さく、長い雄しべが目立つ花をつけます。こういった特徴から、マメ科の中でもネムノキ亜科(オジギソウ亜科)に分類されます。1990年代に一部で用いられたクロンキスト体系では、独立の「ネムノキ科」を設定していました。
【分布】日本(本州から沖縄)、台湾、中国大陸、朝鮮半島、南アジア

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