公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ゴシュユ

(ミカン科)

 

撮影日 2021-11-10

植物のある場所 有用樹木区

中国原産の落葉小高木です。雌雄異株で、日本には雌株のみが導入されています。雄株がないため花が咲いても受粉できず、種子は正常に形成されませんが、果実は肥大し、薬用になります。ゴシュユの樹は株元から地下茎をのばし、ひこばえを出して群落を形成するため、種子ができなくても増殖はできます。
果実は油っぽさのある特有の匂いと、熱感のある辛味、残留性の苦味をもち、美味とは言い難い性味をしていますが、温補(おんぽ:身体を温め、不足する体力を補う)の作用があって健胃・鎮痛などの薬方に用いられています。
基原として3種あるうち、日本ではEuodia ruticarpaが栽培されています。学名の綴りについてもEvodia rutaecarpa等、表記揺れがありましたが、第十六改正にてEuodia ruticarpaに統一されました。
日本産のゴシュユ生産量は未だごく少量ではありますが、東京生薬協会が支援する薬用植物国内栽培事業にて福井県高浜町での出荷実績もあり、国内生産の拡大に取り組んでおります。
【生薬名】ゴシュユ(呉茱萸)
【薬用部分】果実(未熟果実を用いる)
【用途】漢方処方用薬:健胃鎮痛利尿作用(呉茱萸湯、温経湯など)
【成分】アルカロイド(エボジアミン、ルテカルピンなど)
【原産地】中国

新常用和漢薬集「ゴシュユ」

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