新常用和漢薬集
名称 |
ボタンピ
(牡丹皮)
第十七改正日本薬局方 収載
|
||
英名 | Moutan Bark | 生薬ラテン名 | MOUTAN CORTEX |
![]() 生薬名:ボタンピ |
![]() 植物名:ボタン |
||
基原 | ボタンPaeonia suffruticosa Andrews (Paeonia moutan Sims) (Paeoniaceae ボタン科)の根皮。 | ||
調製 | 植え付け後、4~5年目の9月に掘り取り、側根をとり、水洗する。水洗後芯抜きを行う。乾かないうちに 5~10 cm に切断し、天日干しする。 | ||
産地 | 中国(山東・安徽・陜西・四川省など)、韓国。国内では奈良・長野県で栽培。 | ||
性状 |
管状~半管状の皮片で、厚さ約0.5 cm、長さ5 ~ 8 cm、径 0.8 ~ 1.5 cm である。外面は暗褐色~帯紫褐色(たいしかっしょく)で、横に長い小楕円形の側根の跡と縦じわがあり、内面は淡灰褐色~帯紫褐色を呈し、平らである。折面はきめが粗い。内面及び折面にはしばしば白色の結晶を付着する。 特異なにおいがあり、味は僅かに辛くて苦い。 |
||
成分 |
フェノール類:paeonol、paeonolide、paeonoside モノテルペン:paeoniflorin、oxypaeoniflorin 誘導体 その他:タンニンなど |
||
選品 | 1.0% 以上のペオノールを含み、外面が帯紫褐色で切面や内面に白色の結晶を付けペオノール独特の香気があるものが良品である。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:消炎・鎮静・鎮痛・駆瘀血(くおけつ)作用があり、婦人病や下腹部、下肢、腰部の化膿症に用いられる薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
大黄牡丹皮湯、腸癰湯(ちょうようとう) 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) |
||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 | 成分のペオニフロリンは腸内細菌でペオニメタボリンに代謝され効果を発揮する。腸内細菌には個人差があるため、効果に個人差が生ずるといわれている。 | ||
情報更新日 2017/03/21 |