公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
マオウ (麻黄)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Ephedra Herb 生薬ラテン名 EPHEDRAE HERBA

生薬名:
Ephedra sinica,Ephedra intermedia,
植物名:Ephedra sinicaEphedra intermedia
基原 Ephedra sinica Stapf, Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer又はEphedra equisetina Bunge (Ephedraceae マオウ科)の地上茎
定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,総アルカロイド(エフェドリン及びプソイドエフェドリン)0.7%以上を含む
調製 9 ~ 10月に草質茎を刈り取り,天日干しする.
産地 中国(遼寧,山西,陜西,河北省)
性状 細い円柱状 ~ 楕円柱状を呈し,径0.1 ~ 0.2 cm,節間の長さ3 ~ 5 cm,淡緑色 ~ 黄緑色である.外面に多数の平行する縦溝があり,節部には鱗片状の葉がある.葉は長さ0.2 ~ 0.4 cm,淡褐色 ~ 褐色で,通例,対生し,その基部は合着して,筒状になっている.茎の横切面をルーペ視するとき,円形 ~ 楕円形で,周辺部は灰緑色 ~ 黄緑色を呈し,中心部は赤紫色の物質を充満するか又は中空である.節間部を折るとき,折面の周辺部は繊維性で,縦に裂けやすい.
僅かににおいがあり,味は渋くて僅かに苦く,やや麻痺性である.
成分 アルカロイド:(l)-ephedrine(日局18確認,定量), (d)-pseudoephedrin(日局18定量), ephedroxane,
(l)-norephedrine, (l)-N-methylephedrine, (d)-N-methylpseudoephedrine
その他:オキサゾリジン誘導体,フラボノイド,タンニンなど
選品 茎が硬く,淡緑色で内心が充実し味が渋く,やや舌を麻痺する.褐色となったものや木質茎の混入のないものが良い.
適応 発汗,鎮痛,鎮咳,去痰,利尿作用があり,発熱悪寒,頭痛,身体疼痛,骨節痛,呼吸困難,喘咳(ぜんがい),黄疸などを改善する薬方に配合される.
漢方
処方例

麻黄湯(まおうとう),葛根湯(かっこんとう)
構成生薬のうち,麻黄,桂枝の組み合わせで発汗作用を増強する.

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう),小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
構成生薬のうち,麻黄,杏仁の組み合わせで鎮咳作用を増強する.

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう),越婢湯(えっぴとう)
構成生薬のうち,麻黄,石膏の組み合わせで,止汗,浮腫をさる.

大青竜湯(だいせいりゅうとう)
構成生薬のうち,麻黄,桂枝,石膏の組み合わせで大いに発汗させる.

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう),薏苡仁湯(よくいにんとう)
構成生薬のうち,麻黄,薏苡仁(よくいにん)の組み合わせで関節痛,筋肉痛を改善する.

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう),麻黄附子甘草湯 (まおうぶしかんぞうとう)
構成生薬のうち,麻黄,附子の組み合わせで悪寒の多い急性熱病に用いられる.

貯法 密閉容器

情報更新日 2022/05/16

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