新常用和漢薬集
名称 |
シンイ
(辛夷)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Magnolia Flower | 生薬ラテン名 | MAGNOLIAE FLOS |
![]() 生薬名:シンイ |
![]() 植物名:コブシ |
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基原 | タムシバ Magnolia salicifolia Maximowicz, コブシ Magnolia kobus De Candolle,Magnolia biondii Pampanini, Magnolia sprengeri Pampanini 又はハクモクレン Magnolia heptapeta Dandy(Magnolia denudata Desrousseaux)(Magnoliaceae モクレン科)のつぼみである。 | ||
調製 | 蕾(つぼみ)がまだ開かない早春に摘み取り、枝柄を切り取って、乾燥する。 | ||
産地 | 中国(河南、湖北、安徽、浙江、陜西、四川)、日本 | ||
性状 |
紡錘形を呈し、長さ 15 ~ 45 mm、中央の径 6 ~ 20 mm、基部にしばしば木質の花柄をつける。ほう葉は通常3枚で、外面には毛がまばらにあって褐色~暗褐色を呈するか、又は密毛があって灰白色~淡黄褐色を呈し、内面は平滑で暗褐色を呈す。内部に9枚又は12枚の花被片があり、花被片は同形又は外側の3枚が小さい。雄ずいは50 ~ 100本あり、雌ずいも多数ある。質はもろい。 特有のにおいがあり、味は辛くて、やや苦い。 |
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成分 |
精油: β-pinene、limonene、methyl eugenol、fanchone リグナン: magnoshinin、magnosalin、frangesin、demethoxyaschantin、aschantin、pinoresinol dimethyl ether、magnolin、liroresinol-B dimethyl ether、biondinin A,B,E ケイヒ酸誘導体: biondinin C,D アルカロイド: d-coclaurine、reticuline、liriodenine、yuzirine、N-methyl coclaurine |
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選品 | 灰褐色絹様の光沢があり、柔らかい毛を密生し、蕾開かず、花梗のすくないもので、砕けば芳香を発する乾燥した新しいものが良い。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:発散・排膿作用があり、頭痛・頭重をともなう鼻炎・蓄膿症などを治療する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい) 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
情報更新日 2020/05/14 |