新常用和漢薬集
名称 |
センキュウ
(川芎)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Cnidium Rhizome | 生薬ラテン名 | CNIDII RHIZOMA |
![]() 生薬名:センキュウ |
![]() 植物名:センキュウ |
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基原 | センキュウCnidium officinale Makino (Umbelliferae セリ科) の根茎を、通例、湯通ししたもの | ||
調製 | 秋期に茎葉が黄色になり始めたころに掘り上げ、半乾にして60 ~ 80℃の湯に 15 ~ 20分間芯まで熱が通るくらいまで浸した後、稲架(はさ)掛けにして乾燥する。 | ||
産地 | 北海道が主で、岩手・群馬・富山・新潟県で栽培。 | ||
性状 |
不規則な塊状を呈し、ときには縦割され、長さ5 ~ 10 cm、径3 ~ 5 cmである。外面は灰褐色~暗褐色で、重なり合った結節があり、その表面にこぶ状の隆起がある。縦断面は辺縁が不整に分枝し、内面は灰白色~灰褐色、半透明でときにはうつろがある。本品の質は密で堅い。 特異なにおいがあり、味は僅かに苦い。 |
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成分 |
フタリド類:cnidilide、neocnidilide、ligustilide、senkyunolide、 butylphthalide、butylidenephthalide、 senkyunolide B ~Jなど その他:pregnenolone、 vanillin、 coniferyl ferulate、 ferulic acidなど |
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選品 | 肥大し、外面が暗褐色、内面が黄白色で充実し、においや味が強いものが良品とされる。 | ||
適応 |
漢方処方用薬:駆瘀血・鎮痛・鎮静・強壮作用があり、冷え性、生理不順など婦人病の薬方に配合される。 生薬製剤:婦人病の家庭薬原料に常用される。 民間薬:茎葉を浴湯に用いる。 |
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漢方 処方例 |
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、温経湯(うんけいとう)、芎帰膠艾湯(きゅうきこうがいとう) 疎経活血湯(そけいかっけつとう)、川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)、清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう) 治打撲一方(じだぼくいっぽう) 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
結節の節間が延びて細長い根茎となり、小さな塊状根茎が数個連なっているものは「そろばん」と称し、質が劣る。 中国における芎窮と称するもの(Ligusticum chuanxiong)は日本の川芎と基原植物が異なっているので、日局には適合しない。 性状記載の「半透明でときにはうつろがある」の“うつろ”は“空ろ”と書く。 |
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情報更新日 2017/03/02 |