新常用和漢薬集
名称 |
オウレン
(黄連)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Coptis Rhizome | 生薬ラテン名 | COPTIDIS RHIZOMA |
![]() 生薬名:オウレン |
![]() 植物名:オウレン(セリバオウレン) |
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基原 | オウレン Coptis japonica Makino, Coptis chinensis Franchet, Coptis deltoidea C. Y. Cheng et Hsiao又は Coptis teeta Wallich(Ranunculaceae キンポウゲ科)の根をほとんど除いた根茎である。 | ||
調製 | 定植5年(畑栽培)、8 ~ 10年(山地栽培)後、秋期に採掘し、地上部、ヒゲ根、泥土を除去して1~ 2日干し、ヒゲ根の残りを火で焼いた後、磨きにかけ再び日干しする。 | ||
産地 | 福井・鳥取・新潟・石川・兵庫・高知県および中国(四川・湖北・陜西・雲南省)などで栽培。 | ||
性状 |
不整の円柱形で長さ2 ~ 4 cm、まれに10 cmに達し、径0.2 ~ 0.7 cmで多少湾曲し、しばしば分枝する。外面は灰黄褐色を呈し、輪節があり、多数の根の基部を認める。おおむね一端に葉柄の残基がある。折面はやや繊維性で、コルク層は淡灰褐色、皮部及び髄は黄褐色~赤黄褐色、木部は黄色~赤黄色である。 弱いにおいがあり、味は極めて苦く、残留性で、唾液を黄色に染める。 |
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成分 | アルカロイド(berberine, palmatine, coptisine, jateorrhizine, worenine, magnoflorineなど)、酸性物質(ferulic acidなど)。 | ||
選品 | 換算した生薬の乾燥物に対し、ベルベリン(ベルベリン塩化物として)4.2%以上を含み、地上茎の残基が少なく、堅実で鮮黄色の苦いものが良品である。 | ||
適応 |
漢方処方用薬:充血または炎症があり、胸苦しい感じ、精神不安、心下部のつかえなどに用いられる。 生薬製剤:整腸薬及び苦味健胃、整腸止瀉薬として配合される。 |
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漢方 処方例 |
瀉心湯類(三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう))、黄連解毒湯(おうれんげどくとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
基原植物のオウレンCoptis japonica はこの変種のセリバオウレンC. japonica var. dissecta、及びキクバオウレンC. japonica var. japonicaを含んでいる。 C. chinensis は中国で黄連、味連、川連と呼ばれ、四川・湖北・陜西省で栽培されている。 C. deltoidea は三角葉黄連、雅連と呼ばれ四川省で栽培されている。 C. teeta は雲南黄連、雲連と呼ばれ、雲南省・西蔵自治区に野生している。 C. omeiensis (峨眉野連)、C. quinquesecta は基原植物として用いられない。 局方品は、エキス剤又は浸剤・煎剤に限り用いるものについては、その旨を表示することとなっている。 |
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情報更新日 2019/03/16 |