新常用和漢薬集
名称 |
シャクヤク
(芍薬)
第十七改正日本薬局方 収載
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別名 | 白芍 | ||
英名 | Peony Root | 生薬ラテン名 | PAEONIAE RADIX |
![]() 生薬名:シャクヤク |
![]() 植物名:シャクヤク |
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基原 | シャクヤク Paeonia lactiflora Pallas (Paeoniaceae ボタン科)の根。 | ||
調製 | 9~12月にかけて堀出し、根をそのまま水洗いし、周皮を除き乾燥する。 | ||
産地 | 日本(奈良、群馬、新潟、青森、岩手、長野、富山、和歌山、高知、北海道)、中国(浙江、安徽、河北、四川、内蒙古) | ||
性状 |
円柱形を呈し、長さ7 ~ 20 cm、径1 ~ 2.5 cm、 外面は褐色~淡灰褐色で、明らかな縦じわ及びいぼ状の側根の跡と横長の皮目がある。横切面はち密で淡灰褐色を呈し、木部は淡褐色の放射状の線がある。 特異なにおいがあり、味は初め僅かに甘く、後に渋くて僅かに苦い。 |
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成分 |
モノテルペノイド類:paeoniflorin、albiflorinなど ガロタンニン:penta- galloylglucose、hexa- galloylglucose、hepta-galloylglucose その他:paeonol、benzoic acidなど |
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選品 | 換算した乾燥物に対し、ペオニフロリン2.0%以上を含み、 太くて内部が充実し、やや柔軟性を帯び、内部が微赤色~白色を呈し、収れん性と、僅かな苦味があり、特有のにおいが強いものが良品とされている。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:収斂・鎮痙作用による腹痛、筋肉痛、下痢などの薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
基原植物として従来、 近縁植物の Paeonia veitchii, P. obovataも用いられていた。 赤芍(せきしゃく)、真芍(しんしゃく)は品質が劣り正品ではない。日本漢方では、赤芍を使わない。 中国では、シャクヤクの栽培品で沸騰水中で煮て皮去りしたものを白芍、皮付きの野生品と P. veitchii から調製したものを赤芍としている。 |
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情報更新日 2017/03/02 |