公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

オナモミ

(キク科)

絶滅危惧II類(VU)

 

撮影日 2019-09-11

植物のある場所 民間薬原料植物区

子供の頃、秋になると投げ合って遊んだ「ひっつき虫」にはいくつかの種類がありますが、大きくてよくくっつくオナモミは代表格といえます。
しかし昭和後期の都市近郊にあった「オナモミのひっつき虫」は、既に外来のオオオナモミであった可能性が高いです。
この写真は、ごく古い時代、農耕文化渡来とともに大陸から来た史前帰化植物と考えられる在来のオナモミです。
前述のオオオナモミやイガオナモミとの競合、自生地の宅地化等のため減少が著しく、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類、東京都区部および北多摩では絶滅状態と推定されています。
オナモミ属の「ひっつき虫」は、真の果実を含む果包(かほう)とよばれる部位で、内部に果実(痩果)が2個含まれています。
本種の果包はオオオナモミよりも小型で細毛が多く、密集せずやや疎らに結実します。
【生薬名】ソウジシ(蒼耳子)
【薬用部分】果実(偽果)
【用途】漢方処方用薬:解熱・発汗・鎮静(蒼耳散ほか)
【成分】脂肪油(リノール酸等)
【原産地】アジア大陸。日本には古い時代に帰化。

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