公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
サンザシ (山査子)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Crataegus Fruit 生薬ラテン名 CRATAEGI FRUCTUS
サンザシ
生薬名:サンザシ
オオミサンザシ
植物名:オオミサンザシ
基原 1)サンザシ Crataegus cuneata Siebold et Zuccarini 又は
2)オオミサンザシ Crataegus pinnatifida Bunge var. major N. E. Brown ( Rosaceae バラ科)の偽果
調製 黄褐色から赤褐色になった偽果を採取,乾燥後,そのまま又は縦切もしくは横切する.
産地 サンザシ:中国(江蘇,湖北,湖南,広東省など)
オオミサンザシ:中国(河北,山東,遼寧,河南省など)
性状 1)Crataegus cuneata に由来:ほぼ球形で径 8 ~ 14 mmである.外面は黄褐色か ら灰褐色を呈し,細かい網目状のしわがある.一端には径 4 ~ 6 mmのくぼみ があり,その周辺にはしばしばがくの基部が残存し,他端には短い果柄又はその 残基がある.真果は通例5室でしばしば5個に分裂する.この分果の長さは 5  ~ 8 mm,淡褐色を呈し,通例,各々 1 個の種子を含む
ほとんどにおいがなく,僅かに酸味がある.
2)C. pinnatifida var. major に由来:1)と同様であるが,大粒で径 17 ~ 23 mm, 外面は赤褐色で艶があり,斑点状の毛の跡が明瞭である.一端にあるくぼみは径  7 ~ 9 mm,分果は長さ 10 ~ 12 mm,黄褐色を呈し,通例,成熟した種子を 含まない
特異なにおいがあり,酸味がある.
成分 フラボノイド:hyperoside,quercetin,vitexin,rutin
ナフトキノン類:crataequinone A,B
フェニルプロパノイド:caffeic acid,crataegusoid A ~ D
青酸配糖体:amygdalin
選品 粒が大きく,赤色を呈しているものが良品.
適応 消化整腸作用があり,消化不良,二日酔いなど消化器系疾患を改善する薬方に配合する.
漢方
処方例

啓脾湯化食養脾湯
構成生薬のうち山査子・人参・茯苓・朮の組み合わせにより,慢性の胃腸虚弱を改善する.

加味平胃散
構成生薬のうち山査子・厚朴・朮の組み合わせにより,飲食物の停滞による腹部膨満感を改善する.

貯法 密閉容器

情報更新日 2023/09/23

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