新常用和漢薬集
名称 |
サイコ
(柴胡)
第十七改正日本薬局方 収載
|
||
英名 | Bupleurum Root | 生薬ラテン名 | BUPLEURI RADIX |
![]() 生薬名:サイコ |
![]() 植物名:ミシマサイコ |
||
基原 |
ミシマサイコBupleurum falcatum Linné(Umbelliferae セリ科)の根。 定量するとき、換算した生薬の乾燥物に対し、総サポニン(サイコサポニンa及びサイコサポニンd) 0.35%以上を含む。 |
||
調製 | 秋に掘り起こし水洗して乾燥する。 | ||
産地 | 日本(宮崎、鹿児島、熊本、茨城)及び中国で栽培 | ||
性状 |
細長い円錐形~円柱形を呈し、単一または分枝し、長さ10 ~ 20 cm、径0.5 ~ 1.5 cm、根頭には茎の基部を付けていることがある。外面は淡褐色~褐色で、深いしわがあるものがある。折りやすく、折面はやや繊維性である。 特異なにおいがあり、味は僅かに苦い。 |
||
成分 |
サポニン:saikosaponin a ~ f サポゲニン:saikogenin E ~ G フィトステロール類:α-spinasterol、stigmasterol、stigmastenol |
||
選品 | 外面は灰黒褐色、内部は黄白色を呈し、なるべく直根で湿り気があって油くさくない新鮮なものが良い。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:往来寒熱、胸脇苦満などを目標に少陽病の主薬とされる。肝気の鬱結により起こる症状(眩暈、耳鳴り、感情の昂りなど)を改善する。内臓下垂(胃、子宮、直腸など)している状態を改善する(昇提)。 | ||
漢方 処方例 |
柴胡剤 抑肝散(よくかんさん) 乙字湯(おつじとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう) |
||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
中国では類似基原植物で、マンシュウミシマサイコBupleurum chinense(北柴胡)、B. scorzonerifolium(南柴胡)は局方正品である。 B. mariginatum(竹葉柴胡)、ホタルサイコB. longiradiatum などがある。 また、カワラサイコPotentilla chinensis(Rosaceae バラ科)、前胡(Peucedanum praeruptorum、Peucedanum decursivum、Angelica decursiva ) は正品ではない。 |
||
情報更新日 2020/05/14 |