新常用和漢薬集
名称 |
コウイ
(膠飴、粉末飴)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Koi | 生薬ラテン名 | KOI |
![]() 生薬名:コウイ |
![]() 植物名:(例)サツマイモ |
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基原 | トウモロコシZea mays Linné (Gramineae イネ科)、キャッサバ Manihot esculenta Crantz (Euphorbiaceae トウダイグサ科)、ジャガイモSolanum tuberosum Linné(Solanaceae ナス科)、サツマイモIpomoea batatas Poiret (Convolvulaceae ヒルガオ科)、若しくはイネ Oryza sativa Linné (Gramineae イネ科)のデンプン又はイネの種皮を除いた種子を加水分解し、糖化したものである。 | ||
調製 |
1又は2の加工法により製したものであり、主にマルトースを含むほか、グルコース、マルトトリオースなどを含む場合がある。 1 デンプンを塩酸、シュウ酸、アミラーゼ又は麦芽汁などで糖化し、濃縮乾燥し、粉末に加工する。 2 デンプン又はデンプンに水を加えて加熱して糊化したものに、塩酸、シュウ酸、アミラーゼ又は麦芽汁などを加えて糖化し、乾燥加工又は濃縮加工する。 1及び2の加工法により製したものを、それぞれコウイ1及びコウイ2とする。 本品はその加工法を表示する。 |
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産地 | 日本 | ||
性状 |
1) コウイ1 本品は白色の結晶性の粉末である。においはなく、味は甘い。 2) コウイ2 本品は無色~褐色、澄明~半澄明の塊又は粘性のある液である。 においはなく、味は甘い。 |
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成分 | 糖:maltose、glucose、maltotriose などが含まれる。 | ||
選品 |
デンプンを可能な限り糖化したものが良品である。アミロースの多い原料が好ましく、アミロペクチンの多い原料は糖化し難く、アミロペクチンが残存し易い。アミロペクチンは熱湯に溶けないことから、純度試験の溶状に不適合となることがある。 赤褐色で、溶けやすく、貯蔵中に脆くならず、しょ糖などを含まないものが良品である。 |
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適応 | 健胃、強壮、生津(セイシン)作用があり、過労によって起こる脾胃の障害、しぶり腹、咳、吐血、口渇、のどの痛み、便秘を改善する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう) 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう) 小建中湯(しょうけんちゅうとう) 大建中湯(だいけんちゅうとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 | 漢方処方における「コウイ」は主に他の配合生薬の煎液に後から添加するものであることから、規定される製法により製するエキス剤を収載する日本薬局方では、大建中湯は「無コウイ大建中湯」として「コウイ」を除いたものとして収載されている。 | ||
情報更新日 2019/05/09 |