公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
ゲンチアナ
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Gentian 生薬ラテン名 GENTIANAE RADIX
ゲンチアナ
生薬名:ゲンチアナ
Gentiana lutea
植物名:Gentiana lutea
基原 Gentiana lutea Linné (Gentianaceae リンドウ科)の根及び根茎
調製 8〜9月頃収穫し,水洗してから茎葉を外す.調製法は使用目的によって異なり,ヨーロッパでは樽に入れて発酵させたり,長期にわたって自然乾燥している.
生根をそのまま短期間に乾燥すると,香りがなく,苦味の強い白色の品物にでき上がる.輸入品と同等の生薬に仕上げる場合は,生根を20℃前後(〜30℃),多湿条件下(温室内,80%位)で20〜30日間徐々に乾燥させながら発酵を促し,それが終わった頃(芳香と淡い褐色)を見計らい,天日または60℃以下の温風で仕上げ乾燥を行う.
産地 スペイン,フランス,トルコなど
性状 ほぼ円柱形を呈し,長さ10 ~ 50 cm,径 2 ~ 4 cmで,外面は暗褐色である.根茎は短く,細かい横じわがあり,その上端には芽及び葉の残基を付けることがある.根は深い縦じわがあり,ややねじれている.折面は黄褐色で,繊維性ではなく,形成層付近は暗褐色を帯びる.
特異なにおいがあり,味は初め甘く,後に苦く残留性である.
成分 セコイリドイド配糖体(苦味成分):gentiopicroside,swertiamarin,amarogentin
キサントン誘導体:gentisin,gentioside 
選品 強い苦味のあるものが良い.
適応 苦味による胃機能の亢進作用があり,消化不良・食欲不振・胃痛・胃もたれ・胃液・唾液分泌を促進すると同時に,胆汁の分泌を促す.
多くは胃腸薬などの家庭薬原料に使用される.
漢方
処方例
漢方薬方例はない.

貯法 密閉容器
備考 ヨーロッパでは,2世紀ごろから使われ,わが国では明治の初め,西洋医学が普及されると同時に導入.
粉末での使用のみで,煎用はしない.

情報更新日 2023/09/18

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