新常用和漢薬集
名称 |
ケイヒ
(桂皮)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Cinnamon Bark | 生薬ラテン名 | CINNAMOMI CORTEX |
![]() 生薬名:ケイヒ |
![]() 植物名:Cinnamomum cassia Blume |
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基原 | Cinnamomum cassia Blume (Lauraceae クスノキ科)の樹皮又は周皮の一部を除いたもの。 | ||
調製 | 太い幹の樹皮または周皮を剥がし、コルク層を除き乾燥する。 | ||
産地 | 中国南部、インド南部、ベトナム。 | ||
性状 |
半管状または巻き込んだ管状の皮片で、厚さ 0.1~0.5 cm、長さ5~50 cm、径 1.5~5 cm である。外面は暗赤褐色を呈し、内面は赤褐色を呈し、平滑である。破折しやすく、折面はやや繊維性で赤褐色を呈し、淡褐色の薄層がある。 特異な芳香があり、味は甘く、辛く、後にやや粘液性で、僅かに収れん性である。 |
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成分 |
精油:cinnamaldehyde、cinnamyl acetate、 phenylpropyl acetate、 cinnamic acid、 salicylaldehyde その他:タンニン、芳香族化合物配糖体、ジテルペノイドなど。 |
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選品 | 辛味が強く甘味があって、渋味のないものが良品とされている。また極度に粘液性の強いものは劣等品である。 | ||
適応 |
漢方処方用薬:発汗、解熱、鎮痛(頭痛、身体疼痛など)、鎮静(のぼせ)、鎮痙などに用いられる。 生薬製剤に芳香性健胃薬として食欲不振、消化不良に粉末が配合される。 |
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漢方 処方例 |
麻黄湯(まおうとう) 大青竜湯(だいせいりゅうとう) 桂枝湯類(けいしとうるい) 苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
Cinnamomum sieboldii Meisnの根から採取したものをニッケイ(肉桂)と呼び、菓子や香料として用いる。 ケイシ(桂枝,Cinnamon Twig,CINNAMOMI RAMULUS;日本薬局方外生薬規格2015収載)はCinnamomum cassia Blumeの小枝である。一般には桂皮が用いられる。 過去には、近縁植物(Cinnamomum zeylanicum、C. obtussifolium、C. obtussifolium var. loureiriiなど)の樹皮も用いられていた。 |
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情報更新日 2020/05/14 |