新常用和漢薬集
名称 |
キョウニン
(杏仁)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Apricot Kernel | 生薬ラテン名 | ARMENIACAE SEMEN |
![]() 生薬名:キョウニン |
![]() 植物名:アンズ |
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基原 | ホンアンズPrunus armeniaca Linné、アンズPrunus armeniaca Linné var. ansu Maxim. 又はPrunus sibirica Linné(Rosaceae バラ科)の種子 | ||
調製 | 夏の果実が成熟した頃、果実の中の堅い核を砕いて種子を取り出し、乾燥する。 | ||
産地 | 中国(内蒙古自治区、山西・陝西・河北省など) | ||
性状 |
扁圧した左右やや不均等な卵形を呈し、長さ1.1 ~ 1.8 cm、幅0.8 ~ 1.3 cm、厚さ0.4 ~ 0.7 cmである。一端は鋭くとがり、他の一端は丸みを帯びてここに合点がある。種皮は褐色で、外面にはこすれて落ちやすい石細胞となった表皮細胞があって、粉をふいたようである。また、合点から多数の維管束が種皮全体に分枝しながら縦走し、その部分はややくぼんで縦じわとなっている。温水に入れて軟化するとき、種皮及び白色半透明の薄い胚乳は子葉からたやすく剥がれ、子葉は白色である。 ほとんどにおいがなく、味は苦く、油っぽい。 |
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成分 |
トリアシルグリセロール類(青酸配糖体): amygdalin、neoamygdalin クマリン:scopoletin その他:脂肪油など |
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選品 | 換算した乾燥物に対し、アミグダリン2.0%以上を含み、粒がそろって大きく厚みがあり、噛むと苦く、独特な芳香が強いものがよい。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:鎮咳、去痰、便通の目的で漢方用薬に配合される。杏仁油・杏仁水の製造原料。 | ||
漢方 処方例 |
麻黄湯(まおうとう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう) 麻子仁丸(ましにんがん)、潤腸湯(じゅんちょうとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
類似植物にモウコアンズP. sibiricaマンシュウアンズP. mandshuricaがある。 また、漢方では苦杏仁(苦味が強い)を用い、食品には甜杏仁(てんきょうにん)(苦味がほとんどない)が用いられている。 杏仁は桃仁に比べamygdalin含量が高い。杏仁にはscopoletinが認められるが,桃仁には認められない。 |
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情報更新日 2017/03/21 |