新常用和漢薬集
名称 |
キクカ
(菊花)
第十七改正日本薬局方 収載
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別名 | キッカ | ||
英名 | Chrysanthemum Flower | 生薬ラテン名 | CHRYSANTHEMI FLOS |
![]() 生薬名:キクカ |
![]() 植物名:キク |
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基原 | キク Chrysanthemum morifolium Ramatulle 又はシマカンギク Chrysanthemum indicum Linné(Compositae キク科)の頭花 | ||
調製 |
10月下旬の花の満開期に採集するが、加工法は各産地により異なる。 主にシマカンギクは野生品、キクは栽培品を用いる。 |
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産地 | 中国(安徽、浙江、河南、湖南など) | ||
性状 |
キク Chrysanthemum morifolium に由来 径15 ~ 40 mmの花頭で、総ほうは3 ~ 4 列の総ほう片からなり、総ほうにはしばしば柄を伴う。総ほう外片は線形~ひ針形、内片は狭卵形~卵形を呈する。舌状花は多数で、類白色~黄色、管状花は少数で淡黄褐色を呈し、ときに退化して欠くことがある。総ほうの外面は緑褐色~褐色を呈する。質は軽く、砕きやすい。 特有のにおいがあり、味は僅かに苦い。 シマカンギク Chrysanthemum indicum に由来 径3 ~ 10 mmの花頭で、総ほうは3 ~ 5 列の総ほう片からなり、総ほうにはしばしば柄を伴う。総ほう外片は線形~ひ針形、内片は狭卵形~卵形を呈する。舌状花は一輪で、黄色~淡黄褐色、管状花は多数で淡黄褐色を呈する。総ほうの外面は黄褐色~褐色を呈する。質は軽く、砕きやすい。 特有のにおいがあり、味は僅かに苦い。 |
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成分 |
セスキテルペン:chrysantherol、chrysanthetriol、chrysanthemol、indicumenone、handelin、 kikkanol A,B,C,D,E,F フラボノイド:apigenin、apigenin-7-glucoside 精油:camphor、trans-carane-trans-2-ol、bornyl acetate、sabinene |
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選品 | 芳香があり、あまり苦くない新しいものが良い。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:解熱・鎮痛・鎮静・明目作用があり、眼疾患・精神疾患を改善する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
釣藤散(ちょうとうさん) 清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう) 杞菊地黄丸・明眼一方・洗肝明目湯・桑菊飲 |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
第17改正日本薬局方 第二追補で性状について「総ほうにはしばしば柄を伴う」が追加された。 シマカンギクの頭花は中国では野菊花として取り扱われている。 |
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情報更新日 2020/05/14 |