新常用和漢薬集
名称 |
カンキョウ
(乾姜)
第十七改正日本薬局方 収載
|
||
英名 | Processed Ginger | 生薬ラテン名 | ZINGIBERIS RHIZOMA PROCESSUM |
![]() 生薬名:カンキョウ |
![]() 植物名:ショウガ |
||
基原 | ショウガZingiber officinale Roscoe(Zingiberaceae ショウガ科)の根茎を湯通しまたは蒸したもの。 | ||
調製 | 10 ~ 11月に根茎を掘り取り、土砂と細根を取り除いて、湯通しまたは蒸した後、乾燥する。 | ||
産地 | 中国(雲南・貴州省、広西自治区ほか)。 | ||
性状 |
扁圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形または長卵形を呈し、長さ2 ~ 4 cm、径1 ~ 2 cmである。外面は灰黄色~灰黄褐色で、しわ及び輪節がある。折面は褐色~暗褐色で透明感があり角質である。横切面をルーペ視するとき、皮層と中心柱は区別され、全面に維管束が散在する。 特異なにおいがあり、味は極めて辛い。 |
||
成分 |
精油(セスキテルペノイド):α-zingibereneなど 辛味成分:[6]-shogaol、[6]-gingerol、zingerone 糖類:sucrose、fructose、glucose |
||
選品 | 乾燥した生薬の乾燥物に対し、[6]-ショーガオールを0.10%以上含み、辛味が強く、肥大充実し、横断面がガラス状のものが良品である。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:嘔吐、咳、下痢、手足の冷え、腹部・腰部・胸部の疼痛を改善する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
人参湯(にんじんとう)、桂枝人参湯(けいしにんじんとう)、大防風湯(だいぼうふうとう) 大建中湯(だいけんちゅうとう) 半夏乾姜湯(はんげかんきょうとう) 甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)、甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう) 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう) 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう) 四逆湯(しぎゃくとう) |
||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
漢方では、日本薬局方ショウキョウを乾生姜とする見方もある。 日局「カンキョウ」は乾生姜(日局「ショウキョウ」)より体を温める作用が強く、新陳代謝を促進するといわれている。 ショウガを基原とする乾姜と生姜は共に代表的な成分として[6]-gingerol及び[6]-shogaolを含有する。主に60℃以下の温度で乾燥される生姜は、[6]-gingerolの含量が比較的高い傾向にあり,湯通し又は蒸したものとされる乾姜は、その加熱処理により[6]-gingerolの一部が[6]-shogaolへと変換することから、[6]-shogaolの含量が比較的高い傾向にある。乾姜には加熱処理による調整によりsucroseが残存する。新鮮なショウガに含まれるsucroseは,生姜の調製時には消失し,乾姜の加熱調製操作では残存することから、sucroseを確認することは、ショウガの加工調製である程度以上の加熱処理が行われたことを示す。 |
||
情報更新日 2017/03/21 |