公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
カッコウ (藿香,広藿香)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Pogostemon Herb 生薬ラテン名 POGOSTEMONI HERBA
カッコウ
生薬名:カッコウ
Pogostemon cablin
植物名:Pogostemon cablin
基原 Pogostemon cablin Bentham ( Labiatae シソ科)の地上部
調製 採取後,日陰で風乾する.
産地 中国南部,台湾,フィリピン,インドネシア,インドなど
性状 茎及びこれに対生した葉からなる.葉はしわがよって縮み,水に浸してしわを伸ばすと,卵形 ~ 卵状長楕円形を呈し,長さ 2.5 ~ 10 cm,幅 2.5 ~ 7 cm,辺縁に鈍きょ歯があり,基部は広いくさび形で葉柄を付ける.
葉の上面は暗褐色,下面は灰褐色を呈し,両面に密に毛がある.茎は方柱形,中実で,表面は灰緑色を呈し,灰白色 ~ 黄白色の毛があり,髄は大きく,類白色で海綿状を呈する.
特異なにおいがあり,味は僅かに苦い.
成分 精油:patchouli alcohol,pogostol,eugenol,cinnamic aldehydeなど
選品 新鮮で葉が多く,香気の強いものが良い.
適応 芳香健胃・清涼血気・解熱・鎮痛作用があり,胃腸機能を回復させ,下痢・腹部膨満感・嘔吐などを治す薬方に配合される.
漢方
処方例

藿香正気散
構成生薬のうち藿香,半夏,生姜の組み合わせで,寒邪や湿邪が胃腸系を阻害して起こる胃部膨満感,疼痛,嘔吐を治す.

不換金正気散香砂六君子湯香砂平胃散・香砂二陳湯
構成生薬のうち藿香,縮砂の組み合わせで,胃腸を調え,消化機能を助け,嘔吐を止める.

銭氏白朮散
構成生薬のうち藿香,白朮の組み合わせで,脾胃の虚弱による嘔吐下痢を治す.

貯法 密閉容器
備考 日本から朝鮮半島,中国などに自生するカワミドリ Agastache rugosa Kuntze を土藿香,川藿香といい,カッコウの代用品にすることがある.

情報更新日 2023/09/18

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