新常用和漢薬集
名称 |
オウバク
(黄柏)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Phellodendron Bark | 生薬ラテン名 | PHELLODENDRI CORTEX |
![]() 生薬名:オウバク |
![]() 植物名:キハダ |
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基原 | キハダ Phellodendron amurense Ruprecht 又は Phellodendron chinense Schneider (Rutaceae ミカン科) の樹皮。 | ||
調製 | 7月中旬から8月上旬に、樹齢10 ~ 20年の木を伐採し、樹皮を剥ぎ、周皮を除き天日で乾燥する。 | ||
産地 | 北海道、長野・群馬・福井・鳥取・福島県など。中国(四川・雲南・陜西・甘粛・湖北・広西省、東北地区など)。 | ||
性状 |
板状又は巻き込んだ半管状の皮片で、厚さ2 ~ 4 mmである。外面は灰黄褐色~灰褐色で、多数の皮目の跡があり、内面は黄色~暗黄褐色で、細かい縦線を認めるが平滑である。折面は繊維性で鮮黄色を呈する。 弱いにおいがあり、味は極めて苦く、粘液性で、だ液を黄色に染める。 |
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成分 | アルカロイド:berberine、palmatine、magnoflorine、phellodendrine、jateorrhizine、obakunone、limonin、butenolineなど | ||
選品 | 換算した生薬の乾燥物に対し、ベルベリン (ベルベリン塩化物として) 1.2% 以上を含み、鮮黄色で苦いものが良く、コルク質がないこと。 | ||
適応 |
漢方処方用薬:消炎、清熱の作用を期待し、薬方に配合する。また、打撲などの外用に用いる。 生薬製剤:苦味健胃、整腸止瀉薬。 |
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漢方 処方例 |
滋陰降火湯(じいんこうかとう)、知柏地黄丸(ちばくじおうがん) 白頭翁湯(はくとうおうとう) 中黄膏(ちゅうおうこう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
基原植物にヒロハノキハダ Phellodendron amurense var. sachalinense, オオバノキハダ P. amurense var. japonicum 及びミヤマキハダ P. amurense var. lavallei も含まれる。 生薬製剤として、陀羅尼助(だらにすけ)、お百草(おひゃくそう)などがある。 民間薬:打撲などに外用ハップ剤とする。 局方の生薬の性状は,ルーペ視に基づく記載に代わり、鏡検による記載が収載された。 |
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情報更新日 2017/02/27 |