公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
ロートコン
第十八改正日本薬局方 収載
劇薬
英名 Scopolia Rhizome 生薬ラテン名 SCOPOLIAE RHIZOMA
ロートコン
生薬名:ロートコン
ハシリドコロ,Scopolia carniolica,Scopolia parviflora
植物名:ハシリドコロ,Scopolia carniolicaScopolia parviflora
基原 ハシリドコロ Scopolia japonica Maximowicz, Scopolia carniolica Jacquin又は Scopolia parviflora Nakai(Solanaceae ナス科)の根茎及び根
乾燥したものは定量するとき,総アルカロイド[ヒヨスチアミン(C17H23NO3 : 289.37) 及びスコポラミン(C17H21NO4:303.35)] 0.29%以上を含む
調製 我が国では,5 ~ 6月ごろ茎葉が枯死する前に根を掘り取り,ひげ根を去り水洗いし,筵(むしろ)に広げて日干しする.十分乾燥するには,約2ヶ月を要する.
産地 中国,韓国
性状 主として不規則に分枝する多少曲がった根茎からなり,長さ約15 cm,径3 cmに達し,ときには縦割されている.外面は灰褐色でしわがあり,ところどころくびれて分節し,先端にはまれに茎の基部が残る.各節の上面には茎の跡があり,側面及び下面には根又はその残基がある.折面は粒状で灰白色 ~ 淡褐色を呈し,皮部の色はやや薄い.
特有なにおいがある.
成分 トロパンアルカロイド:(-)-hyoscyamine, atropine(日局18確認), (±)-scopolamine(日局18確認)
オキシクマリン:scopoletin, scopolin
選品 よく肥大したもので,新鮮なものが良い.
適応 ロートエキスは胃酸過多,胃痛,胃痙攣,痙攣性便秘などに消化液分泌抑制の目的で用いる.
漢方
処方例
漢方処方には用いられていない.

貯法 密閉容器
備考 有毒である.専らロートエキスとして流通する.
第17改正日本薬局方 第二追補において,性状に関する記載が一部見直された.

情報更新日 2022/05/13

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