公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
リュウコツ (竜骨)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Longgu 生薬ラテン名 FOSSILIA OSSIS MASTODI
リュウコツ
生薬名:リュウコツ

基原 大型ほ乳動物の化石化した骨で,主として炭酸カルシウムからなる.
調製 採掘後,土砂などを除去する.
産地 中国(内蒙古,山西,陝西省)
性状 不定形の塊又は破片で,ときには円柱状の塊である.外面は淡灰白色を呈し,ところどころに灰黒色又は黄褐色の斑点を付けるものがある.外側部は質の緻密な 2 ~ 10 mmの層からなり,淡褐色を呈する多孔質部を包囲する.質は重くて堅いがややもろく,破砕すると小片及び粉末となる
におい及び味がない.なめるとき,舌に強く吸着する.
成分 炭酸カルシウム CaCO3,ヒドロキシアパタイト,二酸化ケイ素 SiO2など
選品 質軽く,破砕しやすく,表面に紋理のあるもので,舐めると舌に吸着するような感じを与えるのが良品とされる.
適応 収斂・鎮静作用があり,臍下の動悸を鎮め,煩躁状態,失精,不眠を治す目的で漢方薬方に配合される.
漢方
処方例

柴胡加竜骨牡蛎湯 桂枝加竜骨牡蛎湯
竜骨・牡蛎の組み合わせで,臍部の動悸を鎮める.

貯法 密閉容器
備考 日本市場に流通するリュウコツの基原として,ウシ科・ウマ科・シカ科が報告されている.
正倉院御物にも竜骨が収められており,シカ科動物由来であったことが報告されている.

情報更新日 2023/09/23

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