新常用和漢薬集
名称 |
モッカ
(木瓜)
日本薬局方外生薬規格2018 収載
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英名 | Chaenomeles Fruit | 生薬ラテン名 | CHAENOMELIS FRUCTUS |
![]() 生薬名:モッカ |
![]() 植物名:カリン、ボケ |
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基原 | 1) カリン Chaenomeles sinensis Koehne の偽果(光皮モッカ) 又は 2) ボケ Chaenomeles speciosa Nakai(Rosaceae バラ科)の偽果(皺皮モッカ)。 | ||
調製 | 秋~初冬に成熟果実を採取し、通例縦に二つ割り、ときに横切りして乾燥する。 | ||
産地 | 日本、中国 | ||
性状 |
1) 光皮モッカ: 楕円体~卵形体を、通例、縦割りした形を呈し、長さ 6.5~10cm、幅 3.5~5.0cm、しばしば横切したものもある。外面は赤褐色~暗褐色を呈し、果肉の断面は赤褐色~黄褐色で顆粒状の斑点がある。 果肉の厚さは 1~2cm で、内部には隔壁があり、これに多数の種子が付くか、又はしばしば脱落して中空となる。種子は扁平なほぼしずく形で、長さ 0.5~1.0 cm、幅 0.2~0.5 cm、堅く、暗褐色を呈する。 特異なにおいがあり、酸味があり収れん性である。 2) 皺皮モッカ(しわかわモッカ、しゅうひモッカ) 楕円体~卵形体を、通例、縦割りした形を呈し、長さ 4~9 cm、幅 2~5 cm、しばしば横切したものもある。外面は赤紫色~赤橙色を呈し、不規則な深い皺がある。果肉の断面は赤褐色~黄褐色で辺縁が縮んで内側に巻く。 内部には隔壁があり、これに多数の種子が付くか、又はしばしば脱落して中空となる。種子は扁平な三角形で、長さ 0.5~1.0 cm、 幅 0.2~0.5 cm、堅く、暗褐色を呈する。 特異なにおいがあり、酸味があり収れん性である。 |
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成分 |
有機酸:malic acid, tartaric acid, citric acid サポニン、タンニン |
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選品 | 果肉部が厚く充実し、赤褐色を帯びて酸味があるもの。 | ||
適応 | 舒筋・活絡・止瀉・利水作用があり、脚気、関節痛・心不全・腎不全によるむくみなどを治療する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
鶏鳴散加茯苓(けいめいさんかぶくりょう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
日本ではカリンの成熟果実を用いるが、中国ではボケの成熟果実を用い、カリンの成熟果実を光皮木瓜(榠樝:めいさ)として区別する。 民間では砂糖煮・果実酒などに製して、咳止めに使用する。 |
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情報更新日 2020/04/27 |