新常用和漢薬集
名称 |
ビャクシ
(白芷)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Angelica Dahurica Root | 生薬ラテン名 | ANGELICAE DAHURICAE RADIX |
![]() 生薬名:ビャクシ |
![]() 植物名:ヨロイグサ |
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基原 | ヨロイグサAngelica dahurica Bentham et Hooker filius ex Franchet et Savatier(Umbelliferae セリ科)の根。 | ||
調製 | 秋に葉と茎が黄変するのを待って、掘りとり、土を除き茎葉をつけたまま、稲架(はさ)掛けにして乾燥する。翌年の春に茎葉を除き[調製]する。 | ||
産地 | 中国(浙江・河南・河北省)、韓国。 | ||
性状 | 主根から多数の長い根を分枝して、ほぼ紡錘形又は円すい形を呈し、長さ 10~25 cm である。外面は灰褐色~暗褐色で、縦じわ及び横長に隆起した多数の細根の跡がある。根頭(こんとう)にわずかに葉しょうを残し、密に隆起した輪節がある。横切面の周辺は灰白色で、中央部は暗褐色を呈するものがある。特異なにおいがあり、味は僅かに苦い。 | ||
成分 |
クマリン誘導体:byak-angelicin、byak-angelicol、imperatorin、phellopterin、oxypeucedanin、xanthotoxin、marmesin、scopoletin、anhydrobyak-angelicin、neobyak-angelicol モノテルペン:α-pinene、camphene、 β-pinene、 myrcene、α-phellandrene、α-terpinene、p-cymene、 terpinolene その他:4-vinylguiacol、 isoelemicin、β-elemene、caryophy llene、 ligustilideなど |
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選品 | 柔軟で、潤いがある。あるいは、質が固く、ともに香りの強いもの。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:去風・鎮静・鎮痛・発散・排膿作用があり、かゆみ、頭痛、歯痛、神経痛、鼻炎、感冒などを治療する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)、清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう) 疎経活血湯 (そけいかっけつとう) 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 | 浙江省産を杭白芷(こうびゃくし)、河南省産を禹白芷(うびゃくし)、河北省産を祁白芷(ていびゃくし)と呼ばれている。 | ||
情報更新日 2017/03/03 |