新常用和漢薬集
名称 |
ハトムギ
日本薬局方外生薬規格2022 収載
|
||
英名 | Coix Fruit with Involucre | 生薬ラテン名 | COICIS FRUCTUS CUM INVOLUCRIS |
![]() 生薬名:ハトムギ |
![]() 植物名:ハトムギ |
||
基原 | ハトムギ Coix lacryma-jobi Linné var. mayuen Stapf(Gramineae イネ科)の果実及び苞鞘 | ||
調製 | 9月下旬~11月上旬の果実の成熟したころに刈り取り,2~3日乾燥し,乾燥後は風選し不稔果実を除く. | ||
産地 | |||
性状 |
ほぼ卵球形を呈し,長さ 7~14 mm,幅 5~9 mm,厚さ 4~8 mm である.外面は黒褐色~灰褐色を呈し,つやがあり,細かい縦じまを認める.上端はややとがり,その付近に1個の斜めの孔があり,他端には果柄の跡がある. 苞鞘は爪で破砕することができる.中に雄性小穂の花柄,膜質のりん片,2個の退化した小穂及び淡灰褐色~淡黄色でつやのある膜質の5枚の頴(えい)に包まれた1個の果実がある.果実は淡褐色~赤褐色で,質は堅い. ほとんどにおいがなく,苞鞘は味がないが,果実は僅かに甘く,かめば歯間に粘着する. |
||
成分 |
デンプン,タンパク質,脂肪酸:palmitic acid,stearic acid 脂肪油:coixenolide |
||
選品 | 完熟充実し,内部は白く,噛むと歯間に粘着するものが良い. | ||
適応 | 民間では,いぼ取りに用いる. | ||
漢方 処方例 |
漢方では,通常,ヨクイニンを使用する. | ||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
原種のジュズダマCoix lacryma-jobi Linne(川穀)の苞鞘は硬く,指で押してもつぶれない.また,ジュズダマの果実はうるち性で,もち性のハトムギと異なり歯間に粘着しにくい. 日本の在来品種から選抜されたものに「はとちから」,「はとじろう」があり,交配品種に「北のはと」,「はとゆたか」などがある. ハトムギの種皮を除いた種子は薬局方収載の「ヨクイニン(薏苡仁)」である. |
||
情報更新日 2025/08/02 |