公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
ハトムギ
日本薬局方外生薬規格2022 収載
英名 Coix Fruit with Involucre 生薬ラテン名 COICIS FRUCTUS CUM INVOLUCRIS
ハトムギ
生薬名:ハトムギ
ハトムギ
植物名:ハトムギ
基原 ハトムギ Coix lacryma-jobi Linné var. mayuen Stapf ( Gramineae イネ科) の果実及び苞鞘
調製 苞鞘を付けた果実が,60 ~ 70%程度成熟して茶褐色になったころ収穫し脱穀する.
脱穀後は数日日干し乾燥し,乾燥後は風選し不稔果実を除く.
産地 中国(河北,河南,甘粛,湖北,江西,雲南省など),韓国,日本
性状 ほぼ卵球形を呈し,長さ 7 ~ 14 mm,幅 5 ~ 9 mm,厚さ 4 ~ 8 mm である.外面は黒褐色~灰褐色を呈し,つやがあり,細かい縦じまを認める.上端はややとがり,その付近に 1 個の斜めの孔があり,他端には果柄の跡がある.
苞鞘は爪で破砕することができる.中に雄性小穂の花柄,膜質のりん片,2 個の退化した小穂及び淡灰褐色 ~ 淡黄色でつやのある膜質の 5 枚の頴に包まれた 1 個の果実がある.果実は淡褐色 ~ 赤褐色で,質は堅い.
ほとんどにおいがなく,苞鞘は味がないが,果実は僅かに甘く,かめば歯間に粘着する.
成分 でんぷん,タンパク質,脂肪(palmitic acid,stearic acid)
選品 完熟充実し,内部は白く,噛むと歯間に粘着するものが良い.
適応 民間で、いぼ取りとして使用する.
漢方
処方例
漢方では,通常,ヨクイニンを使用する.

貯法 密閉容器
備考 母種のジュズダマ Coix lacryma-jobi Linné の苞しょうは硬く,指で押してもつぶれない.またジュズダマの果実は粳性で,糯性のハトムギと異なり歯間に粘着しにくい.
日本の在来品種から選抜されたものに,「はとちから」,「はとじろう」があり,交配品種に「北のはと」,「はとゆたか」などがある.

情報更新日 2023/09/18

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