公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
ハッカ (薄荷)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Mentha Herb 生薬ラテン名 MENTHAE HERBA
ハッカ
生薬名:ハッカ
ハッカ
植物名:ハッカ
基原 ハッカ Mentha arvensis Linné var. piperascens Malinvaud (Labiatae シソ科)の地上部
調製 大部分の産地では地上部を収穫して,陰干しする.
産地 日本(新潟県,北海道),中国(江蘇,浙江省)
性状 茎及びそれに対生する葉からなり,茎は方柱形で淡褐色 ~ 赤紫色を呈し,細毛がある.水に浸してしわを伸ばすと,葉は卵円形 ~ 長楕円形で,両端はとがり,長さ2 ~ 8 cm,幅1 ~ 2.5 cm,辺縁に不ぞろいの鋸歯があり,上面は淡褐黄色 ~ 淡緑黄色,下面は淡緑色 ~ 淡緑黄色を呈する.葉柄は長さ0.3 ~ 1 cmである.ルーペ視するとき,毛,腺毛及び腺りんを認める.
特異な芳香があり,口に含むと清涼感がある.
成分 テルペノイド: l-menthol(日局18確認), l-menthone, 1,8-cineole, β-caryophyllene, l-limonene, isomenthone, germacrene-D, piperitone, pulegone
精油:1%前後,葉(1.5 ~ 4%),茎(0.1 ~ 0.3%)
その他:methyl acetate
選品 新鮮で香味が強く,太い茎をできるだけ含まないものが良い.
適応 駆風・発散・清涼・興奮作用があり,感冒・皮膚疾患などを改善する薬方に配合される.
家庭薬にも配合される.
メントール・ハッカ油の製造原料とする.
漢方
処方例

荊芥連翹湯荊防敗毒散柴胡清肝湯清上防風湯防風通聖散
構成生薬のうち,薄荷・荊芥・連翹・桔梗の組み合わせにより,頭痛・発熱・口渇・咳嗽・のどの炎症・痛みを治す.

逍遙散(八味逍遙散)加味逍遙散加味逍遙散加川芎地黄(加味逍遙散合四物湯)
構成生薬のうち,薄荷・柴胡・梔子の組み合わせにより,胸部の炎症を取り,煩悶感を取る.

川芎茶調散
構成生薬のうち,薄荷・川芎・白芷・防風の組み合わせにより,頭痛を止める.

滋陰至宝湯
構成生薬のうち,薄荷・貝母・麦門冬の組み合わせにより,咳を改善する.

響声破笛丸
構成生薬のうち,薄荷・訶子・阿仙薬の組み合わせにより,咽が痛くて,声が枯れるのを改善する.

貯法 密閉容器

情報更新日 2022/05/16

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