新常用和漢薬集
名称 |
ニクジュヨウ
(肉蓯蓉)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Cistanche Herb | 生薬ラテン名 | CISTANCHIS HERBA |
![]() 生薬名:ニクジュヨウ |
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基原 | 1) Cistanche salsa G. Beck、 2) Cistanche deserticola Y. C. Ma 又は3) Cistanche tubulosa Wight (Orobanchaceae ハマウツボ科)の肉質茎である。ただし開花したものでは花序を除く。 | ||
調製 | 秋頃、根及び根茎を掘りあげ、泥土、地上部、ひげ根を取り除いた後、乾燥する。 | ||
産地 | 中国 | ||
性状 |
1) Cistanche salsa に由来 偏平な円柱形で、長さ5 - 25 cm、径1 - 2.5㎝である。一端はやや細くなり湾曲しているものが多い。外面は褐色~黒褐色を呈し、肉質のりん片で覆われる。質は肉質で充実し、やや柔らかく油性を帯び、折りにくい。折面は黄褐色~褐色を呈し、淡褐色の維管束が波状の環を形成する。 特異なにおいがあり、味はわずかに甘く、後にわずかに苦い。 2) Cistanche deserticola に由来 偏平な円柱形で1)と同様であるが、大形で長さ5 - 50 cm、径1 - 8 cmである。 特異なにおいがあり、味はわずかに甘く、後にわずかに苦い。 3) Cistanche tubulosa に由来 偏平な紡錘形~円柱形で、やや湾曲し、長さ5 - 25 cm、径2 - 9 cmである。外面は褐色~黒褐色を呈し、肉質のりん片で覆われる。質は緻密で堅く、折りにくい。折面は淡灰褐色~黄褐色を呈し、黄白色の維管束が全体に散在する。 特異なにおいがあり、味はわずかに甘く、後にわずかに苦い。 |
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成分 | フェニルエタノイド配糖体:cistanoside A、cistanoside C、cistanoside F、echinacoside、syringalide A 3'-α-l-rhamnopyranoside、tubuloside A、tubuloside B 2'-acetylacteoside、verbacoside (acteoside)、acteoside isomer | ||
選品 | 良く肥大して、りん片が整い、黒褐色で湿った感じのものが良い。 | ||
適応 | 強壮・強精 | ||
漢方 処方例 |
通常、漢方処方用薬には使用しない。 | ||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
国内に自生するオニク Boschniakia rossica の全草を基原とするものは、日本薬局方外生薬規格2015改正において「ワニクジュヨウ」として規定されている。 verbacoside (ベルバコシド):一般的成分名としては、アクテオシド(acteoside)が広く用いられるが、日本薬局方の「ニクジュヨウ」の確認試験では、確認成分名として論文収載時期の早いベルバコシドを用いている。 |
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情報更新日 2017/03/30 |