新常用和漢薬集
名称 |
トウキ
(当帰)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Japanese Angelica Root | 生薬ラテン名 | ANGELICAE ACUTILOBAE RADIX |
![]() 生薬名:トウキ |
![]() 植物名:トウキ |
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基原 | トウキ Angelica acutiloba Kitagawa 又はホッカイトウキ Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino (Umbelliferae セリ科)の根を、通例、湯通ししたもの。 | ||
調製 | 秋に掘りとり4~5本を一束とし、茎葉を付けたままの状態にして、藁縄で一括りし、上部の葉を切り落として稲架(はさ)に掛け、翌年の2月頃まで放置し、乾燥させる。2月の晴天の暖かい日を選び、湯揉み洗いをする。たらい又は桶を用意し、70 ~ 80℃の湯を入れ、まな板様の板を用意し、この上に稲架の当帰を置き、丁寧に根の先端から基部にかけて両手で揉む。根の間の土や小石を落とし、きれいな馬尾状(ばびじょう)に形を整え、再び稲架に掛けて乾燥する。又、北海道では10月~11月に掘りとり、土を除去したのち水洗し、風乾又は加熱乾燥して仕上げる。 | ||
産地 | 群馬・岩手・青森・奈良・和歌山県、北海道で栽培。中国で栽培。 | ||
性状 |
太くて短い主根から多数の根を分枝して、ほぼ紡錘形を呈し、長さ 10~25 cm、外面は暗褐色~赤褐色で、縦じわおよび横長に隆起した多数の細根の跡がある。根頭(こんとう)にわずかに葉しょうを残している。折面は暗褐色~黄褐色を呈し、平らである。 特異なにおいがあり、味は僅かに甘く、後にやや辛い。 |
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成分 |
精油:ligustilide、butylidene phthalide、butylphthalide、safrole、isosafrole, bergapteneなど ポリアセチレン化合物:falcarinol、falcarindiol、falcarinolone クマリン類:scopoletin、 umbelliferone その他:vanillic acid、 choline、多糖物質、β-carboline 誘導体など |
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選品 | 肉質が充実し、枝根が少なく、柔軟で芳香があり、辛味が強く、甘味のあるものが良品である。主根が木質化したものや、脆いものは不良品である。 | ||
適応 |
漢方処方用薬:生理異常、貧血、自律神経の乱れなどを改善する薬方に配合される。 生薬製剤:家庭薬の婦人薬(実母散、中将湯など)の主薬として配合される。 |
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漢方 処方例 |
当帰芍薬散、四物湯 当帰建中湯、疎経活血湯(そけいかっけつとう) 潤腸湯(じゅんちょうとう) 内托散(ないたくさん) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 | 唐当帰(中国産当帰)、および韓当帰(韓国産当帰)は基原植物が異なり、該当しない。 | ||
情報更新日 2017/03/21 |