新常用和漢薬集
名称 |
テンモンドウ
(天門冬)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Asparagus Root | 生薬ラテン名 | ASPARAGI RADIX |
![]() 生薬名:テンモンドウ |
![]() 植物名:クサスギカズラ |
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基原 | クサスギカズラAsparagus cochinchinensis Merrill (Liliaceae ユリ科)の根を、湯通し又は蒸したもの。 | ||
調製 | 5月頃掘り出し、コルク化した外層の大部分を除き、蒸した後、乾燥する。 | ||
産地 | 中国(貴州、四川、雲南、広西、浙江、湖北) | ||
性状 |
紡錘形~円柱形を呈し、長さ5 ~ 15 cm、径5 ~ 20 mm、外面は淡黄褐色~淡褐色を呈し、半透明で、しばしば縦じわがある。質は柔軟性であるか、又は堅い。折面は灰黄色で艶があり、やや角質様である。 特異なにおいがあり、味は初め甘く、後僅かに苦い。 |
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成分 |
アミノ酸類:asparagine サポニン類:Asp IV,V, VI,VII、asparasaponin I、methylprotodioscin、pseudoprotodioscin、protodioscin その他:多糖類、デンプン、β-sitosterolなど |
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選品 | 根が太くて長く、あめ色を呈し甘味の強い潤いのあるものが良い。 | ||
適応 | 漢方処方用薬:鎮咳・利尿・滋養強壮・緩和作用があり、便秘、糖尿病、肺壊疽、肺膿瘍などに使用される薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
滋陰降火湯(じいんこうかとう)、清肺湯(せいはいとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
貴州産で四川に集荷されたものを川天冬、浙江省のものを温天冬、湖北産のものを湖天冬と称する。 基原植物に類似したタチテンモンドウAsparagus cochinchinensis var. pygnaeusは薬用としては利用されない。 |
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情報更新日 2017/03/02 |