公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
テンナンショウ (天南星)
日本薬局方外生薬規格2022 収載
英名 Arisaema Tuber 生薬ラテン名 ARISAEMATIS TUBER
テンナンショウ
生薬名:テンナンショウ
マイヅルテンナンショウ
植物名:マイヅルテンナンショウ
基原 マイヅルテンナンショウ Arisaema heterophyllum Blume, Arisaema erubescens Schott, Arisaema amurense Maximowicz 又はその他同属の近縁植物( Araceae サトイモ科)のコルク層を除いた塊茎
調製 秋に採集し,茎葉,根を取り除き,コルク層を去り,大きなものは半割し,天日か機械で乾燥させる.硫黄燻蒸すると乾燥しやすい.
産地 中国(河北,河南,甘粛,湖北,江西,雲南省など),韓国,日本
性状 やや偏圧された球形 ~ 不定形を呈し,径 0.7 ~ 3.5 cm,高さ 0.7 ~ 2 cmである.
外面は類白色又は淡灰褐色 ~ 淡褐色を呈し,上部には茎の跡がくぼみとなり,その周辺には根の跡がくぼんだ細点となっている.質は堅い.切面は類白色,粉性である.
ほとんどにおいがなく,味は初め緩和で,後にえぐい.
成分 サポニン:arisaenoside A ~ C
フェノール類:paeonol,3,4-dihydroxybenzaldehyde
グリセロール類,安息香酸,デンプンなど
選品 大きく,灰白色で,粉性に富み,えぐ味が強いものが良い.
適応 漢方処方用薬:鎮痙・鎮痛・去痰・除湿作用があり,めまい・痙攣・ひきつけを改善する薬方に配合される.
漢方
処方例

清湿化痰湯
構成生薬のうち天南星・半夏・茯苓・陳皮・甘草の組み合わせにより,寒冷を覚える背中の痛みを治療する.

二朮湯
構成生薬のうち天南星・栝楼仁・威霊仙・蒼朮・白朮の組み合わせにより,五十肩の痛みを改善する.

貯法 密閉容器

情報更新日 2023/09/18

▲このページの最上部へ