新常用和漢薬集
名称 |
チョウジ
(丁香、丁子)
第十七改正日本薬局方 収載
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英名 | Clove | 生薬ラテン名 | CARYOPHYLLI FLOS |
![]() 生薬名:チョウジ |
![]() 植物名:チョウジ |
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基原 | チョウジSyzygium aromaticum Merrill et Perry (Eugenia caryophyllata Thunberg)(Myrtaceae フトモモ科)のつぼみである。 | ||
調製 | 8~9月、つぼみが紅色を帯び始めたとき、採集し、花柄を除去した後、日干しする。又は50℃以下で火力乾燥する。 | ||
産地 | モルッカ諸島原産、アンボイナ島、マレー半島西岸のペナン島、アフリカ東岸のペンバ、ザンジバル、マダガスカル、レユニオンなどの諸島に栽培されている。 | ||
性状 |
暗褐色~暗赤色を呈し、長さ 1 ~ 1.8 cm、やや偏平な四稜柱状の花床と、その上端には厚いがく片4枚及び4枚の膜質花弁とがあり、花弁は重なり合いほぼ球形を呈する。花弁に包まれた内部には多数の雄ずいと1本の花柱とがある。 強い特異なにおいがあり、舌をやくようで、後に僅かに麻痺する。 |
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成分 |
フェニルプロパノイド:acetyleugenol、chavicolなど セスキテルペノイド:α-caryophyllene、β-caryophyllene、humulene、carophylla - 4(12), 8(13)-dien-5β-ol、carophylla-3,8 (13)-dien-5α-olなど クロモン配糖体:eugenosideⅠ,Ⅱ タンニン:eugeniin、1-desgalloyleugeniin、2-desgalloyleugeniin アルカロイド:higenamine フラボノイド:rhamnetin、kaempferol その他:精油(15 ~ 20%)、eugenol (37 ~ 63%)、脂肪油、ろうなど |
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選品 | 外観は潤いがあり、芳香強く、茎や異物の少ないものが良い。 | ||
適応 |
漢方処方用薬:理気・健胃・止嘔作用があり、シャックリや食欲不振などを改善する薬方に配合される。 チョウジ油の製剤原料。健胃薬の生薬製剤に配合。 |
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漢方 処方例 |
柿蔕湯・丁香柿蔕湯 治打撲一方(ちだぼくいっぽう、じだぼくいっぽう)・女神湯 |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
4世紀ごろ地中海地方に知られていたが、原産地がモルッカ諸島であることは15世紀の中期に判明した。 1606年以降これらの諸島を領有したオランダ政府により、ニクズクと共に専売制がしかれたが、18世紀にはアフリカに伝えられ、現在はむしろこの地方に多く産する。 中国では宋代の開宝本草に収載されているが、薬用として使われることは少なかった。 初版日本薬局方から収載されている。 |
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情報更新日 2017/03/02 |