公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
ダイフクヒ (大腹皮)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Areca Pericarp 生薬ラテン名 ARECAE PERICARPIUM
ダイフクヒ
生薬名:ダイフクヒ
ビンロウ(ビンロウジュ)
植物名:ビンロウ(ビンロウジュ)
基原 ビンロウ Areca catechu Linné 又はダイフクビンロウ Areca dicksonii Roxburgh( Palmae ヤシ科)の果皮
調製 冬から春にかけて未熟な果実を収穫し,煮沸後,天日干しにした後,縦に2つに切り皮を剥ぐ.
産地 中国(海南島,雲南,福建省),台湾,フィリピン,インドネシア
性状 紡錘形 ~ 長楕円体で,通例,縦割りされている.長さ 3 ~ 6 cm,径 2.5 ~ 4 cm,厚さ 0.2 ~ 0.8 cm である.外面は淡灰褐色 ~ 暗褐色を呈し,縦じわがあり,内面は黄褐色 ~ 暗褐色を呈し,ややつやがあり,通例,細かい縦じわがある.断面は著しく繊維性である.
横切面は淡黄褐色を呈し,ルーペ視するとき,繊維群が淡褐色 ~ 暗褐色の点として認められる.
僅かに特異なにおいがあり,味はほとんどない.
成分 アルカロイド:arecoline,arecaidine,guyacine
タンニン:arecatannin A1,A2,A3
選品 黄白色で軽く,柔らかいが強靭.新鮮なものが良い.
適応 下気・利尿・整腸作用があり,腹部膨満感・すっきりしない排便・尿量減少・下痢などを改善する薬方に配合される.
漢方
処方例

藿香正気散
構成生薬のうち大腹皮・藿香・厚朴・茯苓の組み合わせにより,暑さによる食欲不振・全身倦怠・感冒・下痢を治す.

分消湯
構成生薬のうち大腹皮・朮・茯苓・沢瀉・猪苓・灯心草の組み合わせにより,浮腫・排尿困難・腹部膨満感を治す.

杏蘇散
構成生薬のうち大腹皮・五味子・紫苑・杏仁・桑白皮の組み合わせにより,咳を止める.

貯法 密閉容器
備考 大腹皮は止瀉に働く.檳榔子は行気作用が強く,瀉下に働く.

情報更新日 2023/09/23

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