公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
シオン (紫菀,紫苑)
日本薬局方外生薬規格2022 収載
英名 Aster Root 生薬ラテン名 ASTERIS RADIX
シオン
生薬名:シオン
シオン
植物名:シオン
基原 シオン Aster tataricus Linné filius( Compositae キク科)の根及び根茎
調製 10 ~ 11月に根と根茎を堀り上げ,細根をほぐすようにして土を洗い落として日干しにする.
産地 中国(東北地方)
性状 短い根茎にそう生した多数の根からなる.根茎は塊状を呈し,長さ 1 ~ 3 cm,径 1 ~ 2 cm,頂端に茎及び葉柄の短い残基を付ける.根茎は,ときに走出枝を付ける.
根は長さ 6 ~ 15 cm,径 1 ~ 2 mm,外面は淡褐色 ~ 暗紫褐色を呈し,細かい縦じわがある.根の質はやや柔軟で,折りやすい.
特異なにおいがあり,味は僅かに苦い.
成分 サポニン:astersaponin
ステロイド:shionone,asterarone A
フラボノイド:quercetin
オリゴペプチド:asterin A,B,asterinin A ~ F
トリテルペン:astershionone A ~ F
選品 根が節をなし,紫色で潤柔なものが良い.
適応 鎮咳・去痰・利尿・鎮静作用があり,痰,慢性の咳,喘息,血痰,血尿,小便不利などに使用される薬方に配合される.
漢方
処方例

射干麻黄湯・杏蘇散
構成生薬のうち,紫苑,五味子,麻黄の組み合わせで,感冒,気管支炎,気管支喘息を治す.

紫苑散・止嗽湯
構成生薬のうち,紫苑,桔梗,甘草も組み合わせで慢性気管支炎,肺結核などの咳,痰を改善する.

貯法 密閉容器
備考 山紫苑はメタカラコウ Ligularia stenocephala Matsumura et Koidzumi( Compositae キク科)の根である.
紫苑単味では顕著な鎮咳作用は報告されていない.また,即効性もない.

情報更新日 2023/09/18

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