新常用和漢薬集
名称 |
ジオウ
(地黄)
第十七改正日本薬局方 収載
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別名 | 乾地黄、熟地黄 | ||
英名 | Rehmannia Root | 生薬ラテン名 | REHMANNIAE RADIX |
![]() 生薬名:ジオウ |
![]() 植物名:アカヤジオウ |
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基原 | アカヤジオウRehmannia glutinosa Liboschitz var. purpurea Makino又はRehmannia glutinosa Liboschitz (Scrophulariaceae ゴマノハグサ科)の根(乾ジオウ)又はそれを蒸したもの(熟ジオウ) | ||
調製 | 11月下旬~12月ごろ、根を掘りあげ水で洗い、日干ししたものを乾地黄(かんじおう)。蒸して乾燥したものを熟地黄(じゅくじおう)。局方では用いられないが、生根そのままを生地黄(しょうじおう)(鮮地黄)とする。 | ||
産地 | 日本(北海道、奈良、長野)、中国(河南・浙江・河北・安徽・四川)、韓国。 | ||
性状 |
1) 乾ジオウ 一端若しくは両端が細くなった塊状又は紡錘形を呈し、長さ5 ~ 10 cm、径0.5 ~ 3.0 cmで、ときに折れ、又は著しく変形している。外面は黄褐色、黒褐色又は黒色を呈し、深い縦溝及びくびれがある。質は柔らかい。横切面は黄褐色、黒褐色又は黒色で、周辺部ほど色が濃い。 特異なにおいがあり、味は初め僅かに甘く、後にやや苦い。 2) 熟ジオウ 不規則な塊状、一端若しくは両端が細くなった塊状又は紡錘形を呈し、長さ5 ~ 10 cm、径0.5 ~ 3.0 cmである。外面は黒色を呈し、通例光沢があり、深い縦溝及びくびれがある。質は柔らかく粘性である。横切面は黒色である。 特異なにおいがあり、味は初め甘く、後に僅かに苦い。 |
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成分 |
イリドイド配糖体:catalpol、aucubin 糖類:stachyose(乾ジオウ)、manninotriose及びfructose(熟ジオウ) その他:アミノ酸など |
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選品 | |||
適応 | 漢方処方用薬:補精・強壮・止血作用があり、糖尿病、諸出血、貧血、便秘などを改善する薬方に配合される。 | ||
漢方 処方例 |
滋陰降火湯(じいんこうかとう) 八味地黄丸(はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などの腎気丸類 三物黄芩湯(さんもつおうごんとう) 潤腸湯(じゅんちょうとう) 当帰飲子(とうきいんし) 四物湯(しもつとう) 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう) |
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貯法 | 密閉容器。生地黄は砂の中に保存する。 | ||
備考 |
市場にはまれに、生地黄、鮮地黄として乾燥しない生のままの鮮品(局方除外品)が見られるが、時期などが限定される。生地黄は砂の中に保存する。乾地黄と熟地黄は薬効にやや違いがあるとされ使い分けられる。 同類生薬として懐慶地黄(かいけいじおう)Rehmannia glutinosa forma hueichingensis(ゴマノハグサ科)がある。 |
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情報更新日 2017/03/02 |