公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
コウボク (厚朴)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Magnolia Bark 生薬ラテン名 MAGNOLIAE CORTEX
コウボク
生薬名:コウボク
ホオノキ,Magnolia officinalis, Magnolia officinalis var. biloba
植物名:ホオノキ,Magnolia officinalisMagnolia officinalis var. biloba
基原 ホオノキ Magnolia obovata Thunberg(Magnolia hypoleuca Siebold et Zuccarini), Magnolia officinalis Rehder et Wilson 又は Magnolia officinalis Rehder et Wilson var. biloba Rehder et Wilson (Magnoliaceae モクレン科) の樹皮
定量するとき,マグノロール0.8%以上を含む
調製 7 ~ 8月に伐採し,樹皮を剥ぎ乾燥する.
産地 日本(長野,岐阜,富山,香川,鹿児島県,北海道などの野生品)
中国 (四川,陜西,湖北,貴州省などの栽培品または野生品)
性状 板状又は半管状の皮片で,厚さ2 ~ 7 mmである.外面は灰白色 ~ 灰褐色を呈し,粗雑であるが,ときにコルク層が剥離され赤褐色を呈することもある.内面は淡褐色 ~ 暗紫褐色,折面は極めて繊維性で淡赤褐色 ~ 紫褐色を呈する.
弱いにおいがあり,味は苦い.
成分 フェニルプロパノイド:magnolol(日局18定量), honokiol
フェニルプロパノイド配糖体:magnoloside A, B, C
アルカロイド:l-magnocurarine(日局18確認), magnoflorine
その他:セスキテルペノイド, モノテルペノイド
選品 新鮮で厚みがあり,充実して堅くなく,香りが良く,味は苦く辛いものが良い.
適応 気を下し,腹痛,脹満,喘咳に用いられる.
漢方
処方例

桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)
構成生薬のうち,厚朴,杏仁の組み合わせで喘咳を抑える.

大・小承気湯(だい・しょうじょうきとう)などの承気湯類
構成生薬のうち,厚朴,大黄の組み合わせで便秘・腹痛を改善する.

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
構成生薬のうち,厚朴,半夏,蘇葉の組み合わせでのどの異物感をとる.

梔子厚朴湯(ししこうぼくとう)
構成生薬のうち,厚朴,梔子の組み合わせで腹満を除く.

平胃散(へいいさん)
構成生薬のうち,厚朴,人参の組み合わせで胸腹間の腹脹をとる.

貯法 密閉容器

情報更新日 2022/05/13

▲このページの最上部へ