公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
サンショウ (山椒)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Japanese Zanthoxylum Peel 生薬ラテン名 ZANTHOXYLI PIPERITI PERICARPIUM
サンショウ
生薬名:サンショウ
サンショウ
植物名:サンショウ
基原 サンショウ Zanthoxylum piperitum De Candolle (Rutaceae ミカン科)の成熟した果皮で,果皮から分離した種子をできるだけ除いたもの
調製 果実の成熟前に採取し,果柄,種子をできるだけ除き乾燥させる.
産地 日本(奈良,和歌山県),中国
性状 2 ~ 3分果よりなるさく果の果皮で,各分果は扁球形を呈し,2片に開裂し,各片の径は約5 mmである.果皮の外面は暗黄赤色 ~ 暗赤褐色で,油室による多数のくぼんだ小点がある.内面は淡黄白色である.
特異な芳香があり,味は辛く舌を麻痺させる.
成分 モノテルペノイド:citronellal, limonene, β-phellandrene, geraniol, citronellol
不飽和脂肪酸アミド:α-sanshool, γ-sanshool, hydroxy-α-sanshool(日局18確認), hydroxy-β-sanshool
その他:フラボノイド配糖体、精油(2 ~ 4%)など
選品 種子や果柄の少なくかおりの良いものが良い.
適応 冷えによる腹痛・膨満感を治療する薬方に配合される.
他に,芳香性健胃薬,苦味チンキなどの原料となる.
漢方
処方例

大建中湯(だいけんちゅうとう),解急蜀椒湯(かいきゅうしょくしょうとう)
構成生薬のうち,山椒,人参,乾姜,膠飴の組合せで,冷え,術後の腹痛に,特に大建中湯はイレウスに用いる.

烏梅丸(うばいがん)
構成生薬のうち,山椒,烏梅の組合せで,蛔虫症による腹痛に用いる.

貯法 密閉容器
備考 基原植物の変種としてアサクラザンショウ Z. piperitum DC. f. inerme Makino,ブドウサンショウなどがある.
イヌザンショウ Z. schinifolium Sieb. et Zuccariniは正品ではない.
ショクショウ(蜀椒,花椒)Z. bungeanum Maximowicz又はフユザンショウZ. armatum De Candolle var. subtrifoliatum Kitamuraは,別途,日本薬局方外生薬規格2022に収載される.
民間療法で駆虫薬としたこともあった.

情報更新日 2022/05/13

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